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  • 生命科学領域

食べ物が持つ「美容&健康パワー」を解明

美容・健康の観点から、食べ物が持つ機能性を解明しています。どのような食品を摂取すれば肌がきれいになるのか?ぐっすり眠るためには何を食べればいいのか?生理痛が軽くなる食品はあるのか?気になる身近な疑問に対し、さまざまな科学的手法を利用してアプローチしています。

高岡 素子教授

食品が人の身体にもたらす効果に着目

健康と密接に関係している食べ物は、栄養状態を左右するだけではなく、さまざまな機能性を有しています。特に興味深いのが、食べ物に含まれる多様な成分を摂取したとき、身体がどのような応答を示すのかという点。中でも、肌状態改善、快眠、リラックス、冷え性改善、月経前に精神的・身体的に不調な症状が出るPMS(月経前症候群)改善などへの効果の有無に注目しています。現在は発酵食品に焦点を当て、さまざまな発酵食品の機能性を探っているところです。

食品成分の機能性を調べる手段は複数ありますが、本研究室が柱としているのがヒト介入試験。試験への協力者を募り、ある食品成分を単回、または長期にわたり摂取してもらって、身体にどのような反応が出るのかを検証するというものです。ここで重要となるのが、試験対象者の条件の統一。マウスの実験とは異なり、遺伝的なバックグラウンドや行動パターンなどをそろえなければなりませんが、これがなかなか大変です。

食品成分が秘める可能性

食べ物と美容・健康などとの関連性を検証し、その有効性を客観的な数値で評価していく。これこそが科学です。そして、まだ有効性の解明に至っていない未知の食品成分がたくさんあります。それらを明らかにしていく本研究室の成果は、企業の商品開発などにおいて有益であることはもちろん、ひいては社会への貢献につながっていくものです。常に身近にある課題にアンテナを張り、新しい手法も取り入れながら検証を進めていきたいと考えています。また、専門性にとらわれることなく幅広い分野に興味を持ち、挑戦し続けていきたいです。

高校生へのメッセージ

大学では、食品に関するさまざまな情報を自分の手で確かめることができます。興味のあるテーマを探究するだけにとどまらず、企業との共同研究に参加することも可能。研究に必要な機器・設備も整っています。本学に入学されたら、ぜひ多彩な研究に意欲的にチャレンジしてください。そして、得られた情報に対して科学的な根拠に基づいた判断ができるよう専門知識を養いましょう。やる気に満ちたあなたをお待ちしています。