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授業紹介:第3回「生命科学基礎実習」 (代謝生化学研究室)
- 教育・研究
「生命科学基礎実習」は、大学1年次の学生が受講する必修実習の一つです。
「生命科学基礎実習」では、バイオサイエンス・生命科学領域の研究、例えば、食品科学、健康科学、生化学、細胞生物学の研究を行うための基本となる実験操作を学ぶことができます。加えて、実験レポートの書き方や、実験データの解析に必要な計算方法についての理解も深めていきます。本学科は理系出身の学生だけでなく文系出身の学生も在籍しているため、高校での理科や数学の内容も交えながら、基礎からわかりやすい講義や実習が準備されています。
通常では、一人の教員が講義や実習を担当しますが、「生命科学基礎実習」では、計15回の実習を、専門分野が異なる以下の4人の教員が担当しており、幅広い分野の内容を基礎から学ぶことができるようになっています。
4名の担当教員
高岡 素子(食品基礎科学研究室)
佐藤 友亮(健康科学研究室)
高木 俊人(分子生態学研究室)
西海 信 (代謝生化学研究室)
第3回「生命科学基礎実習」紹介では、代謝生化学研究室 西海先生が担当している実習を紹介します。
第3回の西海先生 担当回では、実験機器の扱い方を3週間に分けて学びます。
1週目では、マイクロピペット(液体用微量体積計)の扱い方について学びます。マイクロピペットは、ピペットマンとも呼ばれることもありますが、生命科学に関する実験では、この実験機器を頻繁に利用します。高等学校ではあまり使用することはありませんが、大学での実験実習では、この実験機器の使用は必須になりますので、1週目の実習では、この実験機器の使用方法のレクチャーを行い、その後、実際にちゃんと使用できているのかについて、実験的に確認を行いました。下記の写真は、様々な種類の液体をマイクロピペットで測りとり、その重量を計測することで、マイクロピペットを正しく使用できているか否かを確認している様子です。皆さん、初めて使用する実験機器を、緊張しながら取り扱っていました。
2週目では、マイクロピペットの取り扱いの正確性の確認と、実験データの扱い方について学びます。マイクロピペットを使って得た実験データを使って、標準偏差や変動係数の計算などを行い、マイクロピペットを正確に使用できているかどうかの確認を行いました。マイクロピペットは、その使い方が簡単であり、素早く液体を採取することができますが、正しい操作で注意して使用することで、その分注精度を保つことが必要です。そこで、自身のマイクロピペット使用における分注精度を、標準偏差や変動係数を計算することで確認してもらいました。標準偏差や変動係数の計算には苦心している様子も見られましたが、分注精度に関する講義も聞きながら、頑張って自身の分注精度の評価を行っていました。
3週目では、酸・塩基に関する講義を行うとともに、pHメーターの使い方について学びます。多くの学生の皆さんは、高等学校までにpHの計算など酸・塩基についていろいろと学んできていると思いますが、その復習を行うとともに、pHメーターと呼ばれる実験機器を使用して、様々な液体のpHを測定しました。高等学校までは、pHを知るために、pH試験紙やpH指示薬などを使うことが多かったと思います。しかし、pH試験紙やpH指示薬では、正確なpHの値を知ることはできません。しかし、実験用試薬を作製する目的で、また、実験検体のpHを知る目的で、正確なpHの値を計測する必要があり、そのために、pHメーターと呼ばれる実験機器を使用します。その実験機器が、下側の写真となります。この実習で、1回生の皆さんには、pHメーターの校正を行ってもらうとともに、実際にpHメーターを使ってもらい、様々な液体のpHを測定してもらいました。使用手順書を確認しながらpHメーターを使用してもらいましたが、この実験機器の使い方もしっかりマスターしてもらいたいと思います。
以上が「生命科学基礎実習」の西海先生 担当回の内容となります。生命科学の実験では様々な実験機器を使用することになりますが、取り扱い方をしっかりマスターして、生命科学に関する研究に携わってほしいと思います。
次回は、研究室 高木先生が担当している「生命科学基礎実習」の実習内容の紹介になります。楽しみにお待ちください!!
研究室・教員紹介
第3回 担当先生
研究室 代謝生化学研究室
教員 西海 信 准教授
次回 担当先生
研究室 分子生態学研究室
教員 高木 俊人 専任講師