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リアルタイム卒業生:伊原さん【健康科学研究室】

健康科学研究室(佐藤友亮教授)の卒業生、伊原さんと木元さんのお二人が、研究室を訪問してくださいました。現在の、それぞれご活躍の様子と興味を持っていることなどを伺いました。ここでは、伊原さんが現在の仕事で取り組んでいることをご紹介します。

伊原さんは神戸女学院大学人間科学部環境・バイオサイエンス学科卒業後(2023)、不妊治療についても専門とする婦人科クリニックにて、胚培養部門専門職として勤務しています。充実した業務を通し、不妊に悩む女性や男性の助けとなることに携わり、実際に少子化社会の中で専門家として貢献し活躍しています。

伊原さんより---------------------------------------------------------------------

不妊治療の場では、欠かせない胚培養士という職業に就いています。おそらく聞き馴染みのない胚培養士という職業は、卵子と精子を受精させ、患者さまに移植するまでの間、受精卵をお預かりして大切にお世話をするといった職業です。まだまだ新米である私の口からは恐れ多いですが、精子や卵子という生殖細胞を扱う専門の医療技術者ともいえるでしょうか。

昔から生命の誕生には興味があり、この職業を知った時は「これだ!」と思いました。元々、数学などの理系の教科が大の苦手なわたしでも、今こうやって憧れの職業に就いて働いていることは、神戸女学院で卒業研究に携わる中で細胞の扱い方や実験の携わり方などを基礎から丁寧に教えていただいたおかげです。

他にも学生時代は、地域創りリーダー養成プログラムも履修し、より良い地域創りのためにチームで奮闘したり、地域の方々に寄り添ったりした日々は学生時代にしかできない貴重な経験だったなあ、とたまにしみじみとしてしまいます(笑)。
神戸女学院で学んだ知識や経験を活かして、いまはとにかく胚培養士として一人前になれるよう精進する充実した毎日を送っています。

本研究室は、血液内科医である佐藤教授のもと、細胞を扱う実験をはじめ、月経やストレスなど体の健康に関連する卒業研究を行っています。

学部在学中の卒業研究では、二人はチームとして免疫細胞であるマクロファージ細胞J774.1に関する研究を行いました。女性ホルモン分泌量は年齢だけでなく、妊娠、出産、閉経などのライフイベントによって変化します。マクロファージ細胞に対して、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンのライフイベントを想定した一定の量を添加する実験を行い、マクロファージ細胞がどのような変化をするのか、女性ホルモンの量の変化が免疫に影響を及ぼすのかどうかについての研究を行いました。

健康科学研究室の卒業生は、大学院(神戸大学医学部医学科、広島大学医学部、奈良先端科学技術大学院大学)への進学をはじめ、航空業界、大手銀行、大手企業等、様々な進路を辿っており、社会で活躍する人材を着実に輩出しています(2020年度 神戸女学院大学 人間科学部 環境・バイオサイエンス学科入学者)。