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リアルタイム卒業生 −木元さん−【健康科学研究室】
- 教育・研究
健康科学研究室(佐藤友亮教授)の卒業生、伊原さんと木元さんが、研究室を訪問してくださいました。お二人の現在のご活躍の様子を紹介します。ここでは、大学院に進学した木元さんに研究で取り組んでいることなどを伺いました。
木元さんは、神戸女学院大学人間科学部環境・バイオサイエンス学科卒業後(2023年)、国立奈良先端科学技術大学院大学の博士前期課程に進学し、日々研究に臨んでいます。また修了後は、世界におけるヘルスケア関連製品部門アジアシェアトップ企業に内定が決まり、女性の月経など、特に女性の健康に関わる商品開発に直接携わることができることを大変楽しみにしているとのことです。
木元さんより------------------------------------------------------------------
研究について
現在、大学院では大腸菌を用いたタンパク質の機能・構造について研究を行なっています。大腸菌の外膜は抗生物質や外的環境への耐性をもち、生存に必須の機構です。そこに局在するタンパク質の機能や構造を明らかにすることで、創薬や工業などをはじめとした様々な産業への応用、貢献を目指しています。タンパク質の研究とは、一見なにを目的にしているのか、どのような意義があるのか分かりにくく、とっつきにくい分野かもしれません。しかし、創薬、食品、環境など私たちの身近なところで深く関わっているものです。また、生命の根底となるものの機能・構造について深い解明を目指すことは、研究としても非常に面白く、やりがいのあるものです。
大学院から新しく研究をスタートさせることは大変な部分もありますが、それだけ視野が広がり、思考が深まる貴重な経験だと日々感じています。
修士課程の2年間はあっという間ですが、自分自身の研究を限界まで解像度を高めて納得のいく形で修了したいと考えています。直近では学会での発表を目標に機能解析・構造解析の双方からアプローチし、日々研究に取り組んでいます。限られた時間の中で結果を出すのは苦しい部分もありますが、好きなことに没頭できる環境に身を置くことができ非常に恵まれていると感じています。
研究を通して得られるものは単純な知識や技術だけではなく、自分自身で考え、判断する力、視野の広さです。常に自分自身を更新しながら持てるものを活用する力は、たとえ研究に携わらなくとも生きていく上で自分自身の支えになると思います。
興味を持っていること 「主にこれから社会人としてどのように社会貢献したいか」
今は「女性への社会貢献」に興味を持っています。研究という自分自身の好きなことに向き合う中で、今後どのように社会と関わることが自分自身のやりがいに繋がるか考える機会になりました。
女学院で過ごすことで、性別や環境に囚われず自分自身や相手と対等に向き合い、自由にやりたいことが出来たと思います。女学院で過ごせたからこそ、「"女性"が活躍できる社会」などとわざわざ限定しなくても誰もが自分自身で選択し、自分自身の人生を創っていけるような、本当の意味で対等な社会を作りたいと思うようになりました。 (木元)
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本研究室は、血液内科医である佐藤教授のもと、細胞を扱う実験をはじめ、月経やストレスなど体の健康に関連する卒業研究を行っています。
学部在学中の卒業研究では、二人はチームとして免疫細胞であるマクロファージ細胞J774.1に関する研究を行いました。女性ホルモン分泌量は年齢だけでなく、妊娠、出産、閉経などのライフイベントによって変化します。マクロファージ細胞に対して、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンのライフイベントを想定した一定の量を添加した実験を行いことで、マクロファージ細胞がどのような変化をするのか、女性ホルモンの量の変化が免疫に影響を及ぼすのかどうかについての研究を行いました。
健康科学研究室の卒業生は、大学院(神戸大学医学部医学科、広島大学医学部、奈良先端科学技術大学)への進学や専門職への就職をはじめ、航空業界、大手銀行、大手企業等、様々な進路を辿っており、社会で活躍する人材を着実に輩出しています(2020年度 神戸女学院大学 人間科学部 環境・バイオサイエンス学科入学者)。