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【環境科学研究室】授業紹介:環境科学実習
- 教育・研究
環境科学実習(張野教授担当分)では、身近に存在する化学物質について分析を行います。今回の授業では、学生さん達が実際に洗剤を用いて食器や手洗いをした時に生じた排水を持参してきてもらい、その中に含まれる陰イオン界面活性剤の濃度を測定しました。
界面活性剤とは洗剤の有効成分で、親水基と親油基の両方をあわせ持つ化学物質です。親油基で皮脂や油の汚れを取り囲んだ結果、表面に親水基が露出し水に溶けやすくなります。このような作用で、水だけでは落ちにくい油汚れをきれいに洗浄することができるようになります。台所洗剤、シャンプー、歯磨き粉など多種に渡って使用されている界面活性剤は、日常生活においては必要不可欠なものでありますが、大雨などの際、下水道から河川域に流入し、環境への影響が懸念されています。
分液ロート内に排水試料、メチレンブルー溶液、クロロホルムを入れました。その分液ロートを振とうすることでクロロホルム層に界面活性剤を抽出し、吸光光度法を用いて濃度を測定しました。抽出の際、界面活性剤がメチレンブルーできれいに青色に着色され、その濃さから肉眼でも濃度が予測することができました。得られた結果は、文献値との比較や河川に流入した場合の水性生物に対する影響等を考察し、レポートにまとめられます。