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【環境科学研究室】授業の紹介:ホコリ中の有機リン化合物の分析
- 教育・研究
環境科学実習(張野担当分)では、日常生活で生じるホコリや家庭からの排水をサンプルとして、それらの中に含まれている化学物質について学びます。
実習の一部を紹介しますと、受講生の皆さんに家の掃除機で採取したホコリを持ってきてもらい、ホコリ中に含まれる有機リン化合物を測定します。有機リン化合物は、プラスチックの可塑剤や難燃剤として用いられている有機リン酸トリエステル類と、有機リン系農薬に分類され、いずれも大量に曝露するとヒトや生物に悪影響を及ぼす物質です。
ホコリに有機溶媒を加え振とうすることで対象とする有機リン化合物6種類を抽出し、カートリッジカラムによる精製とエバポレーターによる濃縮を経てGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)で測定する操作で、学生さん達は興味と不安感をもって実験に挑みます。ホコリの採取場所や検出された有機リン化合物の種類と量から、なぜホコリからこのような有機リン化合物が検出されたのかを考えます。