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【環境科学研究室】卒業研究の紹介:水草を用いた環境水中に含まれる農薬の浄化
- 教育・研究
国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」における17の目標の一つに挙げられていますように、水を今後も持続可能に利用できるよう管理していくことが求められています。一方で化学物質による水質汚染が世界中で進行し、安心して利用できる水は少なくなってきています。
化学物質により汚染された水を浄化する手段として、植物を浄化材として用いたファイトレメディエーションがあげられます。この方法は、環境に負荷をかけず比較的安価に浄化することができるため、最近では公園の池などで実用化されています。環境科学研究室の卒業研究では数種の水草を用いて、水中に含まれるネオニコチノイド系およびフェニルピラゾール系農薬の除去を試みています。これらの農薬は農作物への害虫の除去対策として田畑で使用されていますが、土壌に散布された農薬は植物体内へ浸透するため、野菜などを食べる前に洗っても落ちません。また、雨が降ると用水路や河川などに流出し、水生生物への影響も懸念されます。実験の様子を図に示します。クロモ、アオウキクサ、マツモ、ホテイアオイといった浮遊型の水草に7種類のネオニコチノイド系農薬と2種のフェニルピラゾール系農薬を加えて、経日ごとにこれら物質の濃度を測定し、その推移をみています。