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授業の様子:バーチャルサイエンスライターの彩恵りり先生にプロジェクト科目で講義いただきました。
- 教育・研究
神戸女学院大学ではフィールドワークや外部講師などを迎えた特色ある授業として「プロジェクト科目」という授業が開講されています。2024年度後期の環境・バイオサイエンス学科のプロジェクト科目では、高木俊人専任講師が担当し、研究広報などについての授業を行っています。
2024年11月19日と26日の授業では、サイエンスライター兼Vtuberとして活躍されている彩恵りり先生(Link)をゲスト講師としてお迎えし、サイエンスライターとしてのご自身のこれまでの活動を紹介していただいたほか、実際に近年発表された学術研究の解説などを行っていただきました。授業内では答えきれない程の学生からの質問も多く寄せられ、Vtuberが講義するという先進的な取り組みから新たな学びを得る機会となりました。
授業で応えきれなかった学生からの質問について彩恵先生にご回答いただきました。ぜひご覧ください!!
Q1. 癌にかかった動物が、冷たい場所好んで土の中に入りたがるという動画を見たことがありますが、それは今日のアイスクリームの話に関係していますか?
A1. まず、アイスクリームと抗がん剤の副作用の話は「アイスクリームで冷やして毛細血管を縮める」⇒「口の中の血流を減らす」⇒「血液に乗ってやってくる抗がん剤の量を減らす」という話なので、先週の話と動画の内容に直接の関係はないね。
「癌にかかった動物が、冷たい場所好んで土の中に入りたがる」という情報は私の中では見つけられなかったんだけど、とはいえ全く考えられない行動、とは言えないんだよね。
なぜなら、ヒトのがん患者では、がん細胞の異常な細胞活性による「腫瘍熱」があることが知られているからね。本当にがんを理由としているのかは分からないけど、ヒト以外の動物が、腫瘍熱を冷やすために冷たい地面に行きたがる、というのは十分に考えられるね。
Q2. 他にも物を勘違いしてメスと交尾する虫はいますか?
A2. これは授業で回答した通りなのだけど、より深く知りたい人向けに情報源を貼るね!英語だから読めないって人も、機械翻訳で大雑把な理解はできるよ (もちろん誤訳もあるので正しさはほどほどにしてね)
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ハチがランの花に交尾 (論文Link)
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カエルが研究者のブーツに交尾 (論文Link)
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ウミヘビがダイバーの腕と交尾 (論文Link)
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フクロウオウム (カカポ) が研究者の頭と交尾: "BBCの番組概要Link)
Q3. 氷最大何個食べましたか
A3. 子供の頃に2個一気に入れたら、口の中が冷たくなりすぎた上に喉が詰まりかけたので、反省して1個だけにしてるよ!
Q4. イグノーベル賞の解説もっと聞きたいです。
A4. これは授業で答えた通りだね!一応近年のイグノーベル賞は個別に解説を行っているので、よろしければ下の方も観てね。
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2024年 (Link)
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2023年 (Link)
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2022年 (Link)
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2021年 (Link)
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2020年 (Link)
Q5. イグノーベル賞の研究でやりたくないなと思った研究はありますか?
A5. やっちゃいけないこと (犯罪や汚職など) に対して皮肉を込めて贈られた賞を除くと、2015年の生理学および昆虫学賞かな?受賞者は2人いて、そのうちの1人は、ハチやクモなどの虫に刺されるとどれくらい痛いかを数値化したJustin O. Schmidtさん。後にこれは「シュミット指数」と呼ばれるようになったよ。どうやって数値化したかと言えば、自分自身が様々な虫に実際に刺された時の痛みを正確に記録したんだよね! (論文Link)
もう1人はMichael L. Smithさん。シュミット指数は身体のどこに刺されたのかという点を考慮していないとして、自分自身を被験者としてミツバチに刺されたんだよね。身体の25ヶ所をミツバチに刺してもらうことによって、中指の先端はそれほど痛くないとか、上唇はめっちゃ痛いとかを測定したんだよね。 (論文Link)
もちろん、虫に刺されて痛いというのは、本人にとっては耐えがたい痛みであり、ケガには違いないから、客観的に評価できる指標を作ったのは十分に立派な成果だよ!だけど自分ではやりたくないというのが正直あるよ。だからこそ「自分ではやれないことをやった」という点では立派な人だと思うよ!
Q6. イグノーベル賞の中で1番面白かった研究は何ですか?
A6. 最近のもので面白いのだと、2024年確率賞の「コインを投げると、最初と同じ面が出る傾向があることを、理論と35万757回の実験の両方で示したことに対して」かな? (プレプリントLink)
詳しくは私の解説記事を読んでほしいんだけど (解説記事Link) 、「誰もが当たり前に思っていることも疑ってみて実験をしてみる」という点と「膨大な実験データを得るためにたくさんの科学者ではない人に協力してもらう」という点が面白いというか興味深いかな?
「コイン投げは50-50だ」は誰もが知っていることだけど、これは数学的な話であり、実際のコインは表裏のデザインが違うのと、どちらかを上にして指ではじく関係上、数学的な50-50にはならず、偏りができるはずなんだよね。実際に物理的なシミュレーションでも偏りは示されていたんだけど、実際に35万回以上も投げて実験をやってみた、というのがこの研究のすごい点だと思うんだよ。
Q7-a. イグノーベル賞を受賞できそうな研究で彩恵さんがやってみるならどんな研究ですか?
Q7-b. 彩恵さんだったらイグノーベル賞にどんな研究を出してみたいですか?
A7. これは授業で答えた通り!気象病の原因は何か?という研究が行われた時、心理的な影響を調査するために「晴れの日に大嵐だと嘘をついて、体調が悪くなるかどうかを調査する」という段階があると思うんだよね。
Q8-a. Vtuberをするにはどの機械が必要ですか?
Q8-b. バーチャル機能作るの大変ですか
A8. ちょっとだけ授業で答えたけど、あまり強いこだわりがなければ、普通のPCやスマホでもVtuberになること自体はできるようになってきたよ。
もちろん、マイクやPCのスペックなど、少しだけこだわった方がより良い性能を得られるので、ほんの少し投資してみることは悪くない選択肢だけどね。
また、Vtuberになりやすい時代になった分だけ、伸びるVtuberというのは難しいけど、SNSのハンドルネームやアイコンのように、自己表現の1種、あるいは1つの人格としてVtuberが普通の表現方法になる時代はすぐにくると考えているよ。
Q9-a. Vtuberをしようと思ったきっかけは?
Q9-b. なぜVtuberになろうと思ったのか
Q9-c. 何故Vtuberになろうと思ったのですか?
A9. 授業でも少し答えたけど、これは「サイエンスニュースの新たな配信方法を探した結果」だね。
もちろん、従来の文字によるニュース解説は大事だけど、音声で解説すれば、また違う層に伝わるかな?って思ったからだよ。
とはいえ、ちょうどこの頃は学術系の解説を行うことをメインの活動とする「学術系Vtuber」が増えてきた時期なので、周りが始めたことに便乗した、というのは否定できないけどね。
Q10-a. いつからこの分野が好きになりましたか?
Q10-b. サイエンスについて知ろうと思ったきっかけは?
Q10-c. 小さい頃から理科系が好きでしたか?
Q10-d. 生物に興味を持ったきっかけを知りたいです。
A. これは概ね授業で答えた通り。大体こういう質問に答える時、求められる答えは1つの大きなきっかけや理由だと思うけど、私の場合は自然とサイエンスが好きになった、って感じなので、強いきっかけはないんだよね。ただ、以下の通りいくつかの体験が組み合わさって、段々とサイエンスが好きになった、というのは言えるんだよね。
『ウルトラマン』や『ドラえもん』、NHKの科学番組のような、フィクションかノンフィクションかを問わずサイエンス系を扱った番組。
近くにある博物館や図書館のような資料系施設に何度も行ったこと。
自宅の庭や畑、近所のちょっとした森のような、小さいながらも野生の動植物があるような自然環境に馴染みがあったこと。
Q11. 活動を始めたきっかけは何ですか?
A11. 一言で言えば趣味なんだよね。その頃はまだ普通に働いていて、フリーランスでサイエンスライターをやるなんてちっとも考えてなかったね。元々、普通のメディアではあまり取り上げられない最新の科学ニュースを追いかけていたけど、どこかに書き留めておかないと、全てを覚えるのはムリだよね?また、実際に文章を書いてみると理解力が高まる感じがするんだよね。
ということで、主に自分向けのまとめをしてたんだけど、そのついでにTwitterに流せばいいじゃやない?という感じで始めたんだよね。
Q12. 趣味でこの活動を始めたのにお仕事になった時はどういう気持ちでしたか?
A12. 自分自身を認めてもらえた、と感じて素直に嬉しかったね。
Q13. 普段、在宅で仕事をしている感じですか?
A13. そうなるよ!ただ、自宅は遊びたい誘惑の宝庫でもあるので、集中したい時にはカフェなどのWi-Fiスペースで仕事をすることもあるよ。なので用事があって出かける時にも、隙間時間で仕事ができるようにノートPCを持ち運んでる感じかな~。
Q14. 休みがないと言っていましたが今の仕事は楽しいですか?
A14. 楽しいか楽しくないかで言えば、もちろん楽しいよ!とはいえ、大変でもあるのは確かだね。
多くの人の会社勤めとは違い、何もかもを自分でやらなきゃいけない、仕事以外の、正直苦手だったりめんどくさいこともやらなきゃいけない、ってことで、もちろん大変なことはあるよ。
1つ確かなのは、自分でスケジュールを調整できるように頑張らないとってことだね。その意味では、休みをきちんと取れてない現状、まだ私はスケジュール調整が上手くいってない、ってことになっちゃうけどね~。
Q15. 顔出しはしませんか。
A15. ごめんね~。現状しない予定だよ。
Q16. 東京の大学知りたいです!
A16. 高いとも言えないけど低いとも言えない、中堅の大学になるね~。
一応秘密ではあるんだけど、私の活動を追っていればある程度想像がつくくらいではあるよ~。
Q17. なぜそんなに秘密なことが多いのですか?
A17. まぁ個人情報だから?というのはあるけど、正直今までの経歴と今の活動に繋がるところがないから、というのもあるのよねぇ。
ある意味では、私のように経歴が無くてもこういう仕事ができる時代、ということの例になるかな?と思うのよ。
Q18. 近々開く講演などはありますか?
A18. 予定というのはないけど、今回の授業をきっかけにして、他の場でも公演等ができると良いね!一応早稲田大学での講演実績はあるのよ。
Q19. なぜそのキャラクターの見た目にしたのか。
A19. 直接の元ネタはTwitterアイコンにはなるけど、そのアイコンは登場したばかりの、現在で言えば生成AIに近いもので作られたものだよ。と言っても現在とは全然違ってて、完全にランダム生成なんだよね。
それを元ネタとして、知り合いの絵師さんに現在のデザインを考えてもらった、って感じかな。緑色が好きなので緑色を主体としていて、メガネは中の人もしているし、デザインとしても好きだから付けた感じになるよ。
Q20. ツイートするソースはどのメディアや情報を使っているのですか?
A20. 毎日巡回しているのは、様々な大学や研究所のプレスリリースをまとめたサイトだね。例えば以下だけど、これらに限らないよ。 (Science Daily) (Phys.org) (Live Science)
また、Twitterで研究者や研究機関、学術誌のアカウントをフォローしておくと、見逃しやすいニュースも拾えるって感じだね!
Q21-1. これは凄いなと思った研究はありますか?
Q21-2. 私たちの代に1番人気そうな研究。
A21. みんなの興味は色々だと思うから、今年あったものをいくつか挙げて見るね!タイトルに引かれたものだけでもいいので、是非読んでみてね。
【Lab BRAINS】
【sorae】
【ガジェット通信】
【プロジェクト科目:神戸女学院を創る】
ゲスト講師:彩恵りり(Link)
【 分子生態学研究室】
教員情報:高木俊人 専任講師(Link)
研究紹介:野生生物のゲノム解析で社会課題を解決へ(Link)