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「理科教育研究室」教員が執筆した論文が『神戸女学院大学論集』に掲載されました

理科教育研究室の中川教授が執筆した論文、「安価な手作りウェルプレートを使用した酢酸およびアンモニアの電離平衡に関するマイクロスケール実験教材の改良と授業実践」が、2025年6月20日に発行された 『神戸女学院大学論集』第72巻第1号に掲載されました。中川教授は、ペットボトルのキャップと白板紙製容器を組み合わせて安価な手作りウェルプレート(Low-cost handmade well plate)を作成しました(T. Nakagawa, School Science Review, 103(382), 2021)。今回は、従来の酢酸および電離平衡の移動に関するマイクロスケール実験を、1枚の8ウェルプレートで同時に実行できるように改良しました。酸塩基指示薬として、酢酸にはメチルオレンジを、アンモニアにはフェノールフタレインを使用しました。メチルオレンジの赤橙色が黄色に、フェノールフタレインの赤色が無色に変化すれば、平衡の移動が認められます。
 高校生を対象に授業実践も行ったところ、「平衡の実験はもっと大がかりのイメージがあったので、こんなに簡単にできるのは驚きました」など、授業内容を評価する感想が得られ、とても好評でした。論文の要旨を掲載しますが、後日、論文の全文が、神戸女学院大学機関リポジトリにアップロードされる予定です。無料でダウンロードできますので、高等学校化学の生徒実験や探究活動で役立てていただければ幸甚です。
 今後、手作りウェルプレートを使用して、様々なマイクロスケール実験教材を開発・改良する予定です。随時HPで紹介します。
 本研究は、JSPS科研費JP17K00991およびJ P 24K05954の助成を受けたものです。

【 理科教育研究室】
教員情報:中川徹夫 教授(Link
研究紹介:マイクロスケール実験のメリットを追求(Link)