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【理科教育研究室】中川教授が"The International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (Pacifichem) 2025"で研究発表を行いました
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理科教育研究室の中川教授が、"The International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (Pacifichem) 2025"で研究発表を行いました。Pacifichemとは、5年に一度Honoluluで12月の中旬に開催される化学の国際会議のことです。今回のPacifichemは、2025年12月15日から20日の6日間開催されました。
これまで中川はPacifichemへ2000年、2005年、2010年、2015年、2021年の5回参加しています。ただし、2020年はパンデミックのため中止となり、2021年にZoomによるオンラインで開催されました。メイン会場はHawaii Convention Centerですが、これ以外に2カ所の会場があります。会場間はシャトルバス(トロリーバス)で移動し、参加証があれば、無料で乗車できます。
中川は、現地時間の12月18日に、ポスターによる研究発表"Standard Gibbs Energies and Microscale Experiments for Reaction of Metals (Cu, Zn and Mg) with Aqueous Cations (H+, Cu2+, Zn2+ and Mg2+) using Low-cost Handmade Well Plates"を行いました。7月26日に山形県で開催された10th Network of Inter-Asian Chemistry Educators (NICE)で発表した内容と一部重複しますが、今回は金属イオンにH+を加え、さらに理想混合モデルを用いたギブズエネルギー変化ΔGの反応進行度依存性αについても触れました。
標準状態におけるΔG°の値が負で大きい場合(Zn(s)/H+(aq)、Zn(s)/Cu2+(aq)、Mg(s)/H+(aq)、Mg(s)/Cu2+(aq)、Mg(s)/Zn2+(aq))は反応が極めて進行しやすく、逆に正で大きい場合(Cu(s)/H+(aq)、Cu(s)/Zn2+(aq)、Cu(s)/Mg2+(aq)、Zn(s)/Mg2+(aq))は反応がほとんど進行しないことが予想されます。これは安価な手作りウェルプレートを用いたマイクロスケール実験の結果と一致します。なお、Honoluluで購入したペットボトル飲料水のキャップも日本と同様直径3 cmのものがあり、ここでも中川のマイクロスケール実験方法が有効であることがわかります。ポスターの発表時間は90分ですが、多くの皆さんが立ち寄ってくれましたので、あっという間に時間が過ぎてしまいました。発表を聞いてくださった皆さんに持参した手作りウェルプレート容器の見本パッケージ(英文説明書1枚、2セル英語版2枚、2セル日本語版1枚、3セル英語版2枚、2セル英語版(切り目、折り目、クリップ付)1枚入)をお渡ししたところ、とても喜んでいただけました。中川の実験方法は国境を超えても有用です。
中川の科研費による研究は2026年度まで継続します。その間に手作りウェルプレートを使用したマイクロスケール実験に物理化学の理論を考慮して、化学反応の自発性とその主要因に関する理解を深める新規教材の開発を推進させたいと思います。
本研究は、JSPS科研費JP17K00991およびJP24K05954の助成を受けたものです。

