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【代謝生化学研究室】2023年度ゼミ生が行った卒業研究の内容が、ヒューマンサイエンス誌に掲載されました!

代謝生化学研究室の2023年度ゼミ生が卒業研究として行った研究内容が、ヒューマンサイエンス誌に掲載されました。掲載された論文内容は以下の通りです。

論文タイトル:
Rhizopus oligosporus発酵コーヒーの品質評価
Quality evaluation of coffee fermented by Rhizopus oligosporus
共同著者:
西海 信、中原 達雄、木村 愛唯、細木 彩良、加藤 花菜、黒木 佳廉、阪本 梨花子
掲載情報:
29号、1~8ページ、2026年6月1日発行(Link

論文概要:
  コーヒーは世界中で愛されている飲料のひとつであり、世界で最も多くの国で飲用されている飲料とされています。しかし、近年の気候変動の影響を受けて、コーヒー豆の収穫量が減少してきており、2015年には、「コーヒー豆アラビカ種(Coffea arabica)の2050年の適作地域は、2015年と比較して半減する」という内容で論文がBunnらによって発表され(Clim Change 2015;129:89-101)(PLoS One 2015;10(10):e0140490)、これが「コーヒーの2050年問題」として注目を浴び、現在、コーヒー豆の生産量低下だけでなく、コーヒー豆の品質低下も問題となっています。我々はこれまで、コーヒー生豆をRhizopus oligosporusR. oligosporus)を用いて発酵させ、発酵したコーヒー豆を使って作製したコーヒーの機能性を検討し、R. oligosporus発酵により、コーヒーの糖分解酵素阻害活性が増強されることを明らかにしてきました(J Nutr Sci Vitaminol 2025;71(4):386-393)。そこで本論文では、R. oligosporus発酵コーヒーの品質について検討しました。
  R. oligosporusはクモノスカビの一種で、発酵食品テンペの主要製造菌であり、テンペ菌とも呼ばれています。テンペは大豆を発酵させて作製することがほとんどで、大豆発酵食品テンペはインドネシア発祥の伝統的な食品のひとつであり、日本では「インドネシアの納豆」とも呼ばれています。本研究ではブライドテストを実施し、35名の被験者にR. oligosporus発酵コーヒーと未発酵コーヒーをそれぞれ試飲してもらうとともに、アンケート調査を行いました。その結果、発酵コーヒーの方が、酸味が弱い、苦味が強い、コクが強い、色が濃い、香りが強いと感じる傾向にあることが明らかになりました。さらに、発酵コーヒーの方が飲みやすい、発酵コーヒーの方が好みであると回答した割合が多いこと、そして、発酵コーヒーの方が飲みやすい、発酵コーヒーの方が好みであると回答した被験者は、コーヒーの飲む頻度が少ない傾向にあることも確認できました。これらの結果は、R. oligosporusによるコーヒー豆の発酵は、その品質に影響を与えることができる可能性を示しています。今後、品質への影響にどのような成分が関わっているのかなど、より詳細な情報が明らかになることで、R. oligosporus発酵コーヒーのさらなる可能性が期待されます。

  代謝生化学研究室では、「代謝」と「生体機能」に注目して研究を進めています。今回の論文は「発酵」をテーマとした研究になりますが、「発酵」とは、微生物のもつ「代謝」を活用した化学反応の過程のことをいい、本論文も「代謝」に注目した研究のひとつとなります。

  本研究は、神戸女学院大学生命環境学部代謝生化学研究室と株式会社トワメイト様との共同研究により実施されました。今後も、引き続き、発酵コーヒーに関する共同研究を進めていく予定です。

最後に...(代謝生化学研究室の2023年度ゼミ卒業生の皆さんへ)
  皆さんが卒業研究として頑張った研究成果の一部が、雑誌に掲載されました。おめでとうございます!

【代謝生化学研究室】
教員情報:西海信 准教授(Link
研究紹介:代謝物と生体機能との関係を解き明かす(Link)