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授業紹介:第4回「生命科学基礎実習」 (分子生態学研究室)

「生命科学基礎実習」は、大学1年次の学生が受講する必修実習の一つです。

「生命科学基礎実習」では、バイオサイエンス・生命科学領域の研究、例えば、食品科学、健康科学、生化学、細胞生物学の研究を行うための基本となる実験操作を学ぶことができます。加えて、実験レポートの書き方や、実験データの解析に必要な計算方法についての理解も深めていきます。環境・バイオサイエンス学科は理系出身の学生だけでなく文系出身の学生も在籍しているため、高校での理科や数学の内容も交えながら、基礎からわかりやすい講義や実習が準備されています。

通常では、一人の教員が講義や実習を担当しますが、「生命科学基礎実習」では、計15回の実習を、専門分野が異なる以下の4人の教員が担当しており、幅広い分野の内容を基礎から学ぶことができるようになっています。

4名の担当教員
高岡 素子(食品基礎科学研究室、Link) 
佐藤 友亮(健康科学研究室、Link
西海 信 (代謝生化学研究室、Link)
高木 俊人(分子生態学研究室、Link

第4回「生命科学基礎実習」紹介では、分子生態学研究室の高木俊人先生が担当している実習を紹介します。

高木先生担当回の1週目では、実験室の使い方や、実験ノートの書き方などのバイオ実験の基本的なことを復習した後にマイクロピペット等の実験器具の扱い方を復習します。

2週目では、PCR実験について学びました。新型コロナウイルスで有名になったPCRですが、サンプル中の微量のDNAの特定の領域を増幅し解析するためのバイオ系では広く使われる実験手法の一つです。本実習では、3種類のコメを、2つの遺伝マーカーを使って品種名を明らかにするというPCR実験を行いました。専用の試薬を決められた量をマイクロピペットで計量し混合したのちに、PCR用のチューブに分注しました。PCR用の試薬は温度変化に弱いため、表情で素早く操作する必要があります。その後、乳鉢ですりつぶしたコメを微量添加し(多すぎると"おかゆ"になってしまうのです...)、サーマルサイクラーと呼ばれる専用の機械で2時間ほどかけてPCR反応を進めました。

3週目では、PCR産物のアガロースゲル電気泳動を行い、2週目に行った実験結果の確認を行います。

 電気泳動結果です。バンドの泳動距離(遺伝子配列の長さの違い)と本数で品種を確認することができます!

これらのPCRと電気泳動の実験結果をレポートにまとめ、締め切りまでにWEBシステム(Moodle)で提出します。コロナ禍でかなり身近な存在となったPCR実験を自らの手で行うことで、バイオ実験に対する理解を深めていただければと思います。

【教員情報】
高木俊人 専任講師(環境・バイオサイエンス学科 分子生態学研究室)
研究者情報(Link)、研究紹介(Link

生命科学基礎実習の紹介は今回が最後です。第1回から第4回まですべて見ていただけるとより分かりやすいかと思いますので、まだ読まれていない方は読んでみてください。最後まで読んでいただきありがとうございました。
第1回目(Link
第2回目(Link
第3回目(Link